ここでは、海外留学ができる最低年齢、海外留学がより効果的となる年齢、親子留学という選択肢などについて解説しています。
経済市場が世界中に拡大し、多くの日本人が海外で活躍している昨今、子供のうちから留学を経験させておくことは、語学を習得する上でも異文化を体感する上でも、とても有効な手段の一つです。 しかしながら、留学はお金さえあれば実現できるという単純なものではありません。留学するためには、年齢をはじめ、受け入れ先が提示するさまざまな条件を全てクリアする必要があります。
留学できる年齢に関して、特別な法律や世界共通のルールはありません。留学生の受け入れ先となる学校が「OK」と言えば、それで留学できることになります。 ただし、どの受け入れ先でも、そう簡単に「OK」と言ってくれるわけではありません。海外のスクールを大きく「正規学校」「語学学校」「サマーorウィンタースクール」の3種類に分け、それぞれ一般に見られる留学生の受け入れルールを見てみましょう。
受け入れ国の小学校入学年齢から、正規学校への入学が可能です。アメリカの場合は日本と同じ年齢、イギリスやオーストラリアの場合は日本より1歳早い年齢です。 なお、小中学生が海外の正規学校に留学する場合には、保護者も一緒に現地で暮らすことが条件となるでしょう。
多くの語学学校では、高校生の年齢以上から留学生を受け入れています。小学生や中学生の年齢の場合、保護者が一緒に現地で暮らしている場合は別ですが、一人で留学するのは難しいでしょう。
海外の多くの学校では、世界中の子供たちを招くサマースクールやウィンタースクールというイベントを開催しています。世界中の子供たちの交流が目的なので、保護者が同伴せず子供一人でも参加可能です。おおむね小学校低学年の年齢から受け入れているところが多いようです。
ネイティブと同じようなレベルの英語力を習得したいのであれば、12~13歳ごろまでに一通りの英会話ができる状態になっておくのが理想と言われています。
もちろん、英会話は何歳から始めても習得可能ですが、ネイティブレベルの言語習得においては、失語症の研究者たちが提唱する「臨界期」という考え方があり、この「臨界期」が12~13歳ごろと言われています。
なお、言語を正しく聞き取るためのピーク年齢は6歳ごろと言われているため、「6歳前後から英会話を始めて、12~13歳ごろまでには一通りの英語を話せるようになっている」という流れが理想と言えるかもしれません。早めに日本の英会話スクールで学び、12~13歳頃に留学を検討してみるというのはいかがでしょうか。
サマースクールやウィンタースクールであれば、小学校低学年の年齢からでも単身で参加が可能ですが、正規学校や語学学校に留学する場合には、高校生になってからでなければ、単身での留学は難しいと考えられます。
ただし、親も一緒に現地で暮らす「親子留学」であれば、年齢制限が緩和されます。
「親子留学」に厳格な定義はありませんが、大きく分ければ「親も子供も現地の学校に入学する」「子供だけ現地の学校に入学し、親は子供の生活のサポートをする」などのパターンがあります。いずれのパターンであっても、「親子留学」でしたら子供が2~3歳でも受け入れてくれるところが多いでしょう。英語習得の「臨界期」も考慮するなら、「親子留学」も選択肢の一つにしておきましょう。
なお「親子留学」をする場合には、現実問題、親に一定の英語力があることが前提となります。親が英語をまったくできない状態で「親子留学」をしてしまうと、当初の生活にさまざまな困難をきたすことになるでしょう。事前に英会話スクールに通うなどし、まずは親が一定の日常会話レベルを習得してから「親子留学」を検討するようおすすめします。